1期生が介護職として働き始めて、1か月が経ちました。
この1か月、私は本人から届く報告を読み、整理し、記事にしてきました。
入社初日の緊張、研修で感じたしんどさ、現場に入ってからの戸惑い、少しずつできるようになってきたこと。
最初は、届いた報告を「新人期の記録」として残すことを考えていました。
でも、何度も読み返して記事にしていくうちに、私自身も少しずつ、介護職という仕事の輪郭を知っていったように感じています。
もちろん、私は介護職の現場にいるわけではありません。
1か月分の報告を読んだからといって、この仕事を分かったつもりになることはできません。
この業界には、何年も、何十年も現場に立ち続けてきた人たちがいます。
その人たちが積み重ねてきた判断や経験、利用者さんとの関係性を、外側から少し記録を読んだだけで語り尽くせるものではないと思っています。
だからこの記事は、「介護職とはこういう仕事です」と言い切るためのものではありません。
1期生の記録を受け取る中で、運営者である私に少しずつ見えてきたことを、今の時点の記録として残すものです。
介護職の仕事について、外側から見える言葉は意外と短いです。
送迎、食事対応、見守り、声かけ、名前を覚えること。
でも、1期生の報告を読んでいると、それぞれの言葉の中に、細かい確認や判断がいくつもあることが見えてきました。
送迎は、ただ移動に付き添うことではありませんでした。
誰をどの順番で案内するのか。どのタイミングで声をかけるのか。時間をどう見て動くのか。
新人にとっては、自分の判断ひとつで流れがずれる怖さもある仕事なのだと感じました。
食事対応も、ただ食事を配ることではありませんでした。
食事形態、アレルギー、量、声かけ、周囲への共有。
確認しているつもりでも、周囲に共有できていなければ足りない場面がある。
「食事対応」という短い言葉の中に、想像していたよりもずっと多くの注意がありました。
見守りも、ただ見ているだけではありませんでした。
普段と違う姿勢や動きに気づくこと。一瞬の変化に反応すること。危ないと思った時に、すぐ声を出せること。
言葉としては簡単に見える仕事ほど、実際には集中力や経験が必要なのだと思いました。
1期生の1か月を読んでいて最も印象に残ったのは、できることが増えるほど、不安が消えるわけではないということです。
最初は、何も分からない不安がありました。
職場の流れ、利用者さんの名前、先輩の動き、自分が何をすればいいのか。
そこから少しずつ、朝の会や帰りの会を任せてもらうようになり、送迎やフロア対応にも入り、顔と名前も少しずつ一致してきました。
でも、できることが増えたからといって、単純に楽になるわけではありませんでした。
むしろ、見えるようになったからこそ、怖さも具体的になっていきます。
食事形態を間違えないこと。
転倒につながる動きを見逃さないこと。
認知面の難しさに合わせて声をかけること。
忙しい時に、何を優先するか判断すること。
1か月で慣れるというより、1か月経ってようやく、何が怖いのかが少し見えてくる。
そんな変化が、1期生の記録の中にはありました。
もうひとつ、報告を受け取っていて残ったのは、土曜日や連休中にも働いているということです。
学生の頃なら休みだった日。
同世代の人たちが出かけたり、家で休んだりしているかもしれない時期。
そういう日にも、現場には利用者さんがいて、職員さんがいて、いつも通り必要な仕事があります。
頭では分かっていたつもりでも、1期生の報告として受け取ると、その重さは少し違って見えました。
「土曜日に働く」「GWに働く」ということを、勤務表の上の話としてだけ見るのではなく、社会人になったばかりの新人が実際にその日を過ごしている感覚として受け取る。
そこには、仕事として受け止める気持ちも、少し複雑な気持ちも、利用者さんとのやりとりや、自分の役割を少しずつ感じる時間もあるのだと思います。
この感覚も、新人期の記録として残しておきたいと思いました。
一方で、報告の中には、本人の支えになっている言葉もありました。
名前を覚えて呼んでもらえたこと。
「ありがとう」と言ってもらえたこと。
「あなたがいてくれてよかった」と言ってもらえたこと。
「またお願いね」と声をかけてもらえたこと。
大きな出来事ではないかもしれません。
でも、新人として毎日分からないことの中にいる時、こういう言葉がどれだけ残るのかを感じました。
仕事ができるようになることだけが、成長ではないのだと思います。
誰かの名前を覚える。
自分の名前を呼んでもらえる。
少し話せる時間が増える。
前よりも声をかけられるようになる。
そういう小さな変化が、本人の中で「もう少し頑張ろう」という気持ちにつながっているように見えました。
期生ログは、1期生の記録を残す場所として始めました。
でも、1か月分の報告を読み、整理し、記事にしていく中で、私自身も少しずつ学んでいます。
介護職の仕事のこと。新人が現場に入っていく時の不安。
できることが増えた時に、同時に責任も増えること。小さな言葉が、働き続ける支えになること。
私は現場に立っているわけではありません。
だからこそ、分かったように語るのではなく、届いた記録から少しずつ知っていく姿勢を忘れないようにしたいです。
1か月を過ぎたあとには、GW勤務の報告も届き始めています。
土曜日や連休中にも働くこと。
少し慣れてきたからこそ、自分の判断の重さに気づくこと。
忙しい日だけでなく、動けない時間の長さにしんどさを感じること。
1期生の1か月は、本人にとっての最初の1か月でした。
そして期生ログにとっても、新人期の記録をどう受け取り、どう残していくのかを考える大切な1か月でした。
この先も、1期生の記録は続いていきます。
1か月目とはまた違う、2か月目に向かう手前のリアルな変化も見え始めています。
その変化を追いながら、私もまた、記録を通して仕事のこと、人の変化のこと、そしてこのメディアの育て方を少しずつ考えていきます。


